患者さんとの信頼関係を築くためのコミュニケーションのコツ。

「聴き上手」という言葉がありますが、看護師はみんなそうだと思います。
でも、仕事をしている場面を想像すると・・・・
業務に追われてバタバタと動き回り、ゆっくり時間が取れないのが現実。
傾聴とか、共感とか、頭では分かっていても、なかなかうまくいかないものですよね。
私も、看護学生のときは実習で、受け持ち患者さんとの会話をプロセスレコードにしたことを覚えていますか?
自分の言った言葉と、患者さんのセリフを書き起こして、アセスメントするという作業を、当時は「すごく面倒くさいな・・・」と感じていました。
そもそもそんなセリフいちいち覚えてないし、とか。
多分、その時はそれをやる意味をちゃんと理解できていなかったと思います。
今になって、セッションの内容を文字に書き起こして振り返ったりして、
「あ、このとき、心が動いた!」とか、
「この質問はこんな効果があったのか」
という学びになると、やっと理解できたきがします。
忙しいとばかり言っていられないので、1分でも2分でも、話しをする時間は、是非「聴くときのコツ」を意識して聴くことをおススメします!
①姿勢
検温に行くときにパソコンを乗せたカートを持っていきますよね。点滴を積んでいることもあるかもしれません。
そしてそのまま病室に行き、パソコンを見たまま、またはクレンメの確認をしながら患者さんの話しを聴いていませんか?
首だけではなく、身体ごと患者さんの方を向き、節度のある姿勢で聴きましょう。
②態度
できれば、点滴やパソコンの作業を一旦やめて、聴くようにしましょう。言葉遣いも、慣れてきたからといってため口をきいたりせず、丁寧な対応に心がけましょう。
③距離
関係によって、適切な距離があります。
患者さんはベッドで横になっていることが多いので、こちらが立ったままだと距離がありすぎます。患者さんの許可を得て、イスに座ったり、目線を合わせて、しゃがむようにしましょう。
④表情
笑顔が大切ということを書いたことがありますが、患者さんが悲しい話しをしているときにニコニコしているのは不自然です。
相手の表情に合わせるようにしましょう。
⑤視線
表情とともに、視線もとても重要です。アイコンタクトが大事と言いますが、じっと睨むように見ると余計に威圧的に感じます。
自然の目を合わせ、患者さんが上を眺めたら上を、床を見たらこちらも視線を落とすようにしましょう。
⑥あいづち
一生懸命話していても、相手の反応がなかったら、聴いてもらっているか不安になります。
患者さんが話しやすように適度にあいづちを打ちましょう。
⑦繰り返し
相手の言葉をそのまま繰り返すことも共感のひとつです。オウム返しと呼ばれる、相手の言葉を復唱するというものです。
「手術が不安なんだよ」と言われれば、「手術が不安なんですね」と返してみる。相手の言葉をうけとめて、相手の言葉を繰り返すことで、気持ちを分かってもらえたと感じます。
⑧質問
患者さんの話しに関心を持って、話される内容の中で質問をしましょう。以前、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンのことを書きました。
よく、「眠れましたか?」「食事は食べましたか?」というクローズドな質問をすることがあります。
これに対して、「はい」か「いいえ」でしか答えられません。
それより、「今朝の目覚めはいかがですか?」や「お食事はいかがでしたか?」のように、できるだけ答える範囲を広げて、より多くの言葉を引き出します。
いかがでしょうか?
「話しを聴いてもらった」という満足度は、時間ではないと思います。
どれだけ短い時間でも、このように「聴く」ということに集中して患者さんに関わることで、「またあの看護師さんに話そう」と思って、信頼関係が築くことができます。
今まで何気なく行っていた検温やラウンドの時間を、「聴く」ことに意識してみてください!
仕事では「聴く」ことが多いので、「聴いてもらう」という経験を是非体験セッションでお試しください(^^)/