「解なし」は「答えなし」ではない?!

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小学5年生の娘の算数の宿題を教えてほしいって言われて、

問題文を見たら、百分率の計算が難しくてびっくりしました!

「こんなの習ったって….」

と2人で教科書を見ながら必死で解きました(^^;;

私が高校生のとき、2年生からは理系のクラスに入ってしまったので、それはそれは苦労しました。

数学Ⅲ、Cに関しては、何一つ覚えていません(笑)

娘の宿題をやっていると、ふと、数学でのテスト問題で、

答えが「解なし」となることがあることを思い出したました。

連立方程式を証明するために、めちゃくちゃスペース使って解いて、

結局解なし?!なんて、嘆いていたことを覚えています。

その「解なし」について、改めて調べてみたら、

結構奥が深いんですよ。

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さて、突然ですが問題です!

Q、 2x=6 の時、解はいくつか?

解は3ですね。

それは、わたしにも理解できます。

しかし、解とはいったい何でしょうか?

東大生のブログによれば、

僕の経験上、解の事を「方程式と解いたあとの答え」くらいにしか認識していない生徒がほとんどです。

しかし、これではかなり不十分です。

例えば、こんな問題はどうでしょう。

Q、 x^2=-3 の時、解はいくつか? 

※x^2 は、xの二乗の事です。

※xは実数とします。

どんな数でも、二乗するとプラスになりますね。3の二乗は9ですが、-3の二乗も9です。

だから、x^2がマイナスになる可能性はありません。よって、x^2=-3 を満たすようなxは存在しないことになります。

以上から、答えはない・・・というのは間違いです。答えはあります。

え?方程式を満たすxはないんだから、答えがないのでは?

と思うかもしれませんが、答えはしっかりあります。

答えは「解なし」です。

さて、ここからが本題ですが、「解」というのは答えではありません。

私なりに定義すると、解とは、元の方程式に代入すると成立する値全てです。

最初の簡単な方程式をもう一度見てみましょう。

2x=6 の解は3でした。

これは、もう少し厳密に言うと、2x=6を見たすxは、3であり、3以外には存在しない、という意味になります。

解を求めよと言われたら、全て列挙して答えるのがマナーなので。

x^2=-3 に対しては、「解なし」というという答えでした。

これは、「その方程式を満たすxは、一つも存在しない」と答えているわけです。

「解なし」になるなら、問題を出すなよ!と言う生徒がいますが(数学アルアルですね)、

でも、これには非常に重要な意味があります。

例えば、殺人事件が起きた時に、自殺か他殺かを調べているとしましょう。

関係者を全員調べたら、アリバイ不明な人が一人もいなかった。だから他殺の可能性はない、と断定された。

こんなストーリーがあった場合に、「どうせアリバイ不明な人がいないんだったら、始めから調べるなよ!」という人がいるでしょうか?

調べた上で誰もいないという結論を出すことが大事なのであって、結果としているのか、いないのかは別問題でしょう。

数学でも同じです。

x^2=-3を解け、というのは、「この方程式を満たすxの値を全て求めよ」という意味です。

ようするに、事件の犯人捜しをしろ、と言われているようなもの。

そして、「解なし」というのは、調べたら一つもありませんでした、つまり、犯人が見つかりませんでした、という意味です。

だから、ちゃんと立派な意味があるわけですね。

ちょっと方程式から離れますが、不等式でも同様です。

Q、2x>6を解け という問題の解は、x>3 ですが、

これは、xが3より大きい値は全て元の方程式を満たすけど、それ以外の値は全て満たさない

という事を意味しています。

前回の記事で扱った、連立方程式を見てみましょう。

Q、2x+3y=12

x+2y=7

の時、xとyの解はいくつか?

この解は、x=3、y=2でした。

これはつまり、x=3、y=2という組しか、元の二つの方程式を満たす場合がないという意味です。

細かい話をしましたが、実はこういう深い意味があって、数学をしっかり学ぼうとすると、こういう厳密な話が大切になってきます。

確かに、計算方法を覚えて、その反復練習をすれば、解の意味が分からなくても解が求められるようになります。

しかし、計算方法だけを覚えていると、難問に出会った時、初見の問題に出会った時、理論的に考える問題に出会った時などに、ちゃんと手順を追って頭で考えられなくなります。

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とのことですが、分かりますか?(^_^;)

頭がこんがらがってきました。

でも、私たちの普段の生活でも、「答えがない」ことって多くないですか?

看護の世界でも、「答えがないこと」が多くあります。

そんなことの中から、数学を思い出し、「解なし」について調べると面白かったので、アウトプットしてみました。

答えが分からなくても、「考える過程」を大切にしているのはコーチングでも同じです。

たとえ、良い答えが導き出せなかったとしても、考えたことに意味があり、財産となります。

人生にも答えはありませんが、より愉しく過ごせるように、一緒に考えませんか?

体験セッションで、愉しくお話しましょう(^^)

お申込みお待ちしています!

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