ただ「聞いてほしい」だけなのに・・・。

今月に入ってから、数件体験セッションをさせていただく中で、感じたことがあります。

それは、「同じ30分であっても、使い方はひとそれぞれ」ということです。

というのも、「体験セッション」という形で募集しているので、もちろん「コーチング」をするという前提なんですが、中には、

「ただ、話しを聞いてもらいたい」という人がいるんです。

「コーチング」というと、どうしても、フローに沿って、目標設定して、その目標にむかって話しを聴き、そのためにできる具体的な行動計画を立てる、という順番で進めていきます。

でも、「コーチング」とは、ただ目標達成するためにするだけじゃないんです。

普段、何気なくしている「会話」では、「聞き手」と「話し手」によって成り立ちます。

でも、今日、誰かと会話したことを思い出してみてください。

例えば、点滴の準備や、カルテの記録中に話しかけられたとします。

「受け持ち患者さんが・・・」と後輩看護師が話しかけてきて、もちろん数分なら一旦手をとめて、話しを聴きますよね。

でも、頭の中はどうでしょう。

“次、あの処置をしなきゃ”とか、“あ、あれも書かなくちゃ”と、相槌を打って聞いているようなそぶりをして、次のことを考えている、なんてことはありませんか?

確かに、チームで動いているにしても、その日の受け持ち患者さんはそれぞれ決まっているし、点滴交換のタイミングや、処置の時間など、まさに分刻みで動いている看護師にとって、なかなか「話しをじっくり聴く」という時間は取りづらいかもしれません。

看護師に関わらず、夫に話しかけても、スマホをいじりながら、とか、

「本当に私の話し聞いてる?」

とイライラしてしまうこともあります。

世の中、話し手より、聞き手の方が少ないな~と感じます。

初めて一人で行う処置のことを先輩に報告するとき、先輩からすれば、「できたか、できなかったか」を知りたいんですよね。

だけど、もしうまくいかなかった場合、先輩は有無を言わさず、

「なんでうまくできなかったの?」「ちゃんと事前学習したの?」と「なぜ?」を連発します。

もちろん、その処置一つで命に関わることですから、問い詰めるのは当然。

だけど、責められる感じがして、「自分はダメな看護師だ」と思ってしまいます。

するとその後輩は、「私の話しは聞いてもらえない。」という思考になり、「私はこの病院で患者さんの役に立てていないんじゃないか。」「看護師に向いてないんじゃないか」と思いはじめ、それでも注意を受けたり、

できなかったことばかりにフォーカスされると、「ここにいない方がいいのかも」と、負のスパイラルに陥るんです。

「話しを聴いてもらえない」ということは、「私のことは大切ではない」と感じてしまいます。

もし、後輩が処置に失敗してしまったとしても、まずは「話しを聴く」ということが大切です。

「どうしたらうまくいくか」「ここはできているね」など、話しをとことん聞いて、できているところを認めて、「あなたはここに必要な人だよ」ということを感じてもらいんです。

私は、このような「話しを聞いてくれるコーチのような存在」が医療業界にはもっともっと必要だと感じています。

緊迫した現場だからこそ、十分話しを聞いて、頭の中を整理して、確実に技術を習得しながら心にもゆとりを持つべきです。

看護師という仕事は、「病気を治す」という概念が強くあるため、困っている人が目の前にいると、「なんとかしてあげたい」という思いが出てきます。

それは決して悪いことではないけど、「聴いてほしい」と思っている人からすれば、「余計なお世話」だったりするわけです。

それを「忠告」ととらえたり、「指示された」と感じてしまい、「聞いてもらう」ことに関しては満足感は得られません。

さらに、「その考えは良くない」など批判なんかされると、「話さなければ良かった・・・・」と思ってしまいますよね。

実際の相手の望みが「聞いてほしいだけ」であれば、話の内容を評価したり、問題解決のためのアドバイスをしたりせずに、ただ耳を傾ければいいんです。

その相手は「聞いてもらうこと」に価値を感じて、そこから信頼関係も深まります。

先日、「話しを聞いてほしい」とおっしゃったクライアントさんの話を、ひたすら聞くことに集中しました。

すると、クライアントさんは、「話していると、頭の中が整理されて、とてもすっきりしました!」と感想を言ってくださいました。

コーチの役割として、目標を描いてそれに向かって背中を押すこともあれば、ただ、「聴く」だけのときもある。

それも含めて、「何に時間を使いたいか」はすべてクライアントが決めること。

「体験セッションで何を話したいか分からない」という方は、まず、世間話しからでいいんですよ。

「最近、どう?」という何気ない会話であっても、「聴くプロ」として、全力でサポートします。

なので、お気軽にお問い合わせいただけたら嬉しいです(^^)

体験セッションのお申込みを心からお待ちしております♪

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