「なんで看護師になったの?」と聞かれて、答えることは…

看護師になったばかりの頃、一番聞かれる質問…。
それは、
「なんで看護師になったの?」
長くダラダラ説明するのも面倒だけど、何かしらエピソードがないとなぁ・・・なんて思いながら、
それについて話すのがめんどくさかったです。
私は、「祖母と暮らしていて、病院にも付き添う機会が多く、看護師さんに憧れて・・・」なんて話していました。
(祖母と暮らしていて病気があったのは本当ですけど)
私は、どちらかというと、「看護師になりたかった」ので、何を聴かれても答えられますが、
私の後輩たちの中には、「なんとなくなった」とか、「経済的に安定するから」といった理由の子たちが多い印象でした。
もちろん、それ以上はつっこんでは聞きません。
「あぁ~そうなんだ~」くらいでその話題は終了します。
それは、それで全然かまわないんですが、
看護師になって、大変で、辛くて、なんでこんなに頑張っているか分からなくなってしまったとき、
この「なりたくてなったわけじゃない」という思いが、さらに働く意欲を低下させます。
今日は、先日セッションさせていただいた看護師さん(Aさん)のことを書きます。(ご本人に了承を得ています)
テーマは、「今の仕事は、なんのためにやっているんだろう・・・」というもの。
精神的に追い込まれ前職を退職され、しばらく休職していましたが、最近になってようやく派遣で老健で働き始めていました。
今まで20年間、看護師としてバリバリ働いていたAさん。
それなのに、派遣なのでどこで仕事があるか分からず、入る仕事は片道2時間以上かけて通う場所も多く、仕事の内容も、ヘルパーさんのお手伝い程度。
「この時間になんの意味があるのか・・・」と悩んでいました。
というより、「意味があると思いたい」という願望を強く感じました。
Aさんは、「看護師にすごくなりたかったわけではないんです」と話していて、「家庭の事情で、経済的な安定を求めていたから」ということでした。
今のお仕事の状況や、どんな働き方が理想か、どんどん話しを進めていくにつれ、どうしてももう一度聞きたかった。
「なんで看護師になろうと思ったの?」
やっぱり、家庭の事情で・・・と話し始めた後、少し考えて、こう話しました。
「母が病気でね。ずっと身体が弱かったんだよ。そんな母をずっと見ていたから、看護師という仕事を選んだことは、自然なことだったのかもしれない・・・」と。
そして、Aさんのお母様は、Aさんが20代のころ亡くなられたそうです。
淡々と話すAさんでしたが、それに耳を傾け、自分の呼吸に意識をしながら聴いていたら、私が泣いていました。
「看護師になろう」と決めた若かりし頃のAさんが、目の前に現れたんです。
その姿に、自然と涙がこぼれました。
「話しを聴いていて、看護師である今のAさんは、その場に必要であるのだと感じました。」とそのまま伝えました。
すると、Aさんは、何かにハッと気付いたように、
「なんで今、働く意味が分からなかったのか分かりました」と。
今の気持ち、看護師になったときの思い、休職したこと、すべてを感じて、Aさん自身で導き出したんです。
セッションの最後にAさんは、
「なんどもこのテーマでセッションしてきたけど、もうこのテーマで話す必要がなくなったよ」とおっしゃいました。
Aさん自身が、たった30分の間に、自分と真剣に向き合った結果です。
コーチングは、コーチが何か特別なことをするのではありません。
ただ、クライアントの可能性を信じて、「聴く」だけ。
その信じる力と、聴く力によって、クライアントさんの気付く力が加速していきます。
多くの人に、それを感じてもらいたいです。
体験セッション受付中です。
お気軽にお問合せください(^^)/
【短期】月収45万円以上確実な看護師転職サイト